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In Box Pro(S邸)

 

設計のポイント

プロジェクト概要既存建築の空きスペースは需要の高い首都圏に多く存在する。再開発事業などを目的とした土地取得により寿命の限られた建築や、核家族化を主としたライフスタイルの変化による大住宅や町工場の解体など、理由は様々であるが、そのどれもが近い将来解体されることが予想されるため、大規模な改修は行われない。こうした結果、安価な賃貸料設定と良くも悪くも歴史の刻まれた空間が一部の層に受け入れられ積極的に使用される例がある。しかしこの場合、光熱費や快適性の確保については使用者が対策を講じる必要がある。こうした対策の一つとして、断熱性の高いパネルで構成された、セルフビルド可能なユニットシステムは有効と考える。躯体と分離しているため、現状復帰に適しているし、再利用可能な構成にできれば、転用も可能である。さらに、それのみが自立することができれば、大空間に小さな快適スペースを挿入することが可能となる。現在同様のシステムとして、鋼製パネルによるユニット式のブースが各種メーカーから販売されているが、断熱性が乏しく快適性にかけ、また、仕上げなどの制約がある為、意匠性にもかける。このプロジェクトでは、建材メーカーとの共同により、断熱素材のみで構成した、軽くて、性能の良い材料を使用して、パネル型ユニットを開発し、実地に適用した。 

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